レギスタン以外のサマルカンド観光ガイド。ウルグ・ベク天文台、アフロシヤブの壁画、ダニエル廟、シヨブ・バザール、ハズラト・ヒズル、シルク絨毯工房、コニギル製紙工房、エターナル・シティを、2026年の入場料、交通手段、所要時間とともにご紹介します。
情報・料金・時刻表は2026年11月4日時点で確認済み
多くの旅行者はサマルカンドに1日半ほどしか滞在しません。レギスタン、シャーヒ・ズィンダ廟群、グリ・アミール廟、ビビ・ハヌム・モスクを巡り、列車でブハラへ向かう、というのが定番です。絵はがきで知られる名所は網羅できますが、この街の物語の半分は見逃してしまいます。レギスタンの先に広がるサマルカンドの魅力は、モンゴル襲来前の2000年にわたって街が栄えた丘、15世紀の天文台の遺構、三つの宗教が共に祈りを捧げる巡礼地、そして今も紙やシルク絨毯が手仕事で作られる村々へと誘ってくれます。
このガイドでは、2日目、3日目の滞在に加えたいレギスタン以外のサマルカンドの見どころをご紹介します。ウルグ・ベク天文台、ソグド壁画で名高いアフロシヤブ博物館、ダニエル廟(ホジャ・ドニヨル)、シヨブ・バザール、ハズラト・ヒズル・モスク、シルク絨毯工房、コニギルの製紙工房、エターナル・シティです。それぞれについて、概要、行き方、所要時間、2026年11月時点の入場料をまとめました。
外国人旅行者向けの料金は2025年に引き上げられ、今後も変わる可能性があります。以下の金額は目安とし、スム現金をご用意のうえ、窓口でご確認ください。
サマルカンドには何日必要?
クラシックな名所を急がずに巡るなら、丸2日が目安です。本記事でご紹介する3日目は、後から「最も楽しかった」と振り返る旅行者が多い一日です。ゆったりとしたペースで、現代のサマルカンドの人々の暮らしと仕事に触れられるからです。
地理的には、計画は簡単です。見どころの多くは、レギスタンの北東、タシケント通り沿いとアフロシヤブの丘周辺に弧を描くように点在しています。
- ビビ・ハヌムから徒歩圏内:シヨブ・バザール、ハズラト・ヒズル・モスク、シルク絨毯工房は、互いに徒歩10分以内です。
- そこから少しタクシーで:アフロシヤブ博物館、ダニエル廟、ウルグ・ベク天文台は、それぞれ車で5〜10分の距離です。
- 郊外:コニギルの製紙工房(車で約20分)と、シルクロード・サマルカンド複合施設内のエターナル・シティ(約20分)。
Yandex Goで手配する市内タクシーは安価で信頼でき、運転手はこれらの場所を名前で把握しています。アプリの使い方は、ウズベキスタンの都市での移動ガイドで解説しています。時間に限りがある場合は、半日の運転手付き車両をご利用いただくと、郊外の見どころを効率よく結べます。

ウルグ・ベク天文台:入場料、歴史、見どころ
ティムールの孫ウルグ・ベクは約40年にわたりサマルカンドを治めましたが、何よりも天文学者として記憶されています。1420年代、彼は街の北東にあるコハク丘に天文台を築きました。主要な観測機器は巨大な子午線弧であるファフリー六分儀で、半径は約40メートル。当時、世界最大の天文観測機器でした。ここで天文学者たちは約1000の恒星を収めた星表『ズィージ・スルタニー』を編纂し、1年の長さを驚くべき精度で測定しました。
1449年にウルグ・ベクが暗殺されると、天文台は放棄され、解体されました。その場所は忘れ去られ、1908年に考古学者ヴァシリー・ヴャトキンが遺構を発見するまで眠っていました。現在見られるのは、六分儀の地下部分にあたる下部で、大理石のレールが敷かれた弧状の溝に保護用のアーチが架けられています。見た目は控えめですので、塔のようなものを期待しないでください。
隣の小さな博物館では、3階建てだった当時の建物の断面模型、天文観測機器、写本の複製などを通じて、遺構の背景を知ることができます。テラスにはウルグ・ベクの記念碑が立っています。
- 入場料:外国人成人で約40,000スム(2025年7月に25,000スムから値上げ)。
- 開館時間:通常9:00〜18:00または19:00。2026年9月、ウズベキスタン観光委員会は、サマルカンドのナイトツーリズム計画の一環として23:00までの夜間開館を発表しました。当日にご確認ください。
- アクセス:レギスタンの北東約3km、タシケント通り沿い。タクシーで10〜15分。市バスも門前に停まります。
- 所要時間:45分〜1時間。科学史がお好きな方はもっと長く。
ガイドと一緒に訪れるか、事前に予習しておくことをおすすめします。40メートルの弧でどのように太陽の位置を1度未満の精度で測れたのかを知ると、六分儀の凄さが腑に落ちます。
アフロシヤブ博物館と「使節の壁画」
サマルカンドが南のレギスタン一帯へ移る前、街はアフロシヤブの丘にありました。シヨブ・バザールのすぐ北に広がる、草に覆われた丘陵の台地です。ここはアレクサンドロス大王が紀元前329年に攻略したマラカンダであり、のちにシルクロード交易の大部分を担ったソグド商人の都となりました。1000年以上にわたり人々が暮らしましたが、1220年にチンギス・ハンの軍によって破壊されました。この長い物語は、シルクロードの歴史に関する記事で詳しくご紹介しています。
アフラシャブとも表記されるアフロシヤブ博物館は、遺跡の端に立っています。最大の至宝は、「使節の壁画」として知られる7世紀の壁画で、1965年に丘を貫く道路工事の際に発見されました。壁画は648〜651年頃に描かれ、サマルカンド王ワルフマンの宮殿の謁見の間を飾っていました。
注目したいポイント:
- 西壁:王に贈り物を携える外国使節たち。絹を運ぶ中国人や、多くの研究者が朝鮮半島からの使節と見なす二人の人物が描かれています。
- 北壁:舟に乗る皇后や狩りをする皇帝を描いた中国の情景。
- 南壁:象、ラクダ、馬を伴う儀礼の行列。王の葬儀へ向かう様子と考えられています。
色彩は褪せ、一部は失われていますが、そのスケールには圧倒されます。当時の広間と同じ大きさの部屋に立ち、行列に取り囲まれる感覚が味わえます。博物館は韓国の専門家の協力で修復され、ほかの展示室では陶器、納骨器、貨幣、遺跡からの出土品を見ることができます。
- 入場料:外国人旅行者向けは25,000〜40,000スムとの情報があります。写真撮影には少額の追加料金がかかる場合があります。
- 開館時間:通常9:00〜17:00または18:00。2026年は夜間延長開館が発表されています。
- 所要時間:博物館は45分。丘まで足を延ばし、ビビ・ハヌムやシャーヒ・ズィンダ方面の眺めを楽しむなら、20〜30分を追加してください。

ダニエル廟(ホジャ・ドニヨル):全長18メートルの墓
アフロシヤブの北東斜面、シヨブ川の流れを見下ろす場所に、五つの小さなドームを戴く細長い低層の建物があり、サマルカンドでも屈指の珍しい墓を守っています。地元の伝承では、預言者ダニエル(ウズベク語でホジャ・ドニヨル)の眠る地とされています。伝説によれば、ティムールがペルシア西部への遠征から聖遺物を持ち帰ったといいます。
石棺の長さは約18メートル。遺体が成長し続けるため、墓が時代とともに延ばされたという話が地元でよく語られます。現在の建物は、古い聖地の上に20世紀初頭に建てられたものです。
ホジャ・ドニヨルは今も生きた巡礼地で、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が訪れ、静かで敬虔な空気に包まれています。家族連れが祈りを捧げに訪れ、階段の下にある聖なる泉は祝福をもたらすと信じられています。入口近くには古いピスタチオの木があり、枯れていたものが1996年にロシア正教会総主教の祝福を受けて蘇ったと伝えられています。
- 入場料:外国人成人で約30,000スム。
- 服装:男女とも肩と膝を覆ってください。女性はスカーフがあると安心です。静かに話し、祈る人々を撮影する際は必ず許可を得てください。
- アクセス:アフロシヤブ博物館の北約1.5km。涼しい季節なら散策にも心地よい距離で、タクシーなら5分です。
- 所要時間:泉までの往復を含め30〜45分。
テラスから川の谷を見渡す眺めは、街でも屈指の穏やかさです。
シヨブ・バザール:買うべきもの、訪れる時間帯
シヨブ(シアブとも)・バザールはサマルカンド最大の市場で、ビビ・ハヌム・モスクのすぐ隣に5ヘクタール以上にわたって広がっています。入場は無料で、早朝から開いています。月曜は休みとする情報が複数あるため、別の日に訪れる計画をおすすめします。
注目したいもの:
- サマルカンドのパン:模様のスタンプが押された、ずっしりと艶のある丸いパン。積み上げられた山や乳母車から売られます。サマルカンドのノンはウズベキスタン中で有名で、数日間おいしく保てます。
- ドライフルーツとナッツ:アプリコット、レーズン、イチジク、アーモンド、ピスタチオ、塩で炒ったアンズの種。買う前の試食が習わしです。
- ハルヴァとお菓子:ニシャルダ(白い泡立ち菓子)、ゴマやナッツのブリトル、ずらりと並ぶ飴。
- スパイスとハーブ:自宅でプロフを作るためのクミン、バーベリー、乾燥唐辛子。
価格は固定ではありませんが、ほとんどの店主は公正です。量る前に1キロあたりの値段を確認しましょう。朝は最も活気があり、写真に適した光が差します。夕方近くには、多くの果物や野菜の売り手が店じまいをします。2026年のサマルカンドのナイトツーリズム計画では、バザールは深夜まで開く予定と発表されており、夕方の様子は変わるかもしれません。
所要時間は45分〜1時間。ウズベク料理や食材に興味がある方は、訪問前にウズベク料理ガイドを読むと理解が深まります。

ハズラト・ヒズル・モスクとカリモフ廟
シヨブ・バザールの道を挟んだ向かいの丘に、ハズラト・ヒズル・モスクが立っています。名前は、イスラムの伝統で旅人の守護者とされるヒズルに由来します。8世紀初頭からこの地にモスクがあったとされ、旧アフロシヤブの南門近く、以前の神殿の跡地に建てられたといいます。1220年に破壊され、現在の建物は1854年のもの。入口のポータル、ミナレット、ドームは1919年に完成しました。
現役のモスクで、細い木の柱が並ぶ美しいベランダと、彫刻を施した彩り豊かな天井が見どころです。多くの旅行者は眺めを目当てに訪れます。テラスからはビビ・ハヌム、バザールのドーム群、そしてシャーヒ・ズィンダ方面を見渡せ、夕方の光の中では格別です。
モスクの隣には、2016年にここへ埋葬されたウズベキスタン初代大統領イスラム・カリモフの霊廟があります。記念複合施設は2018年に開かれ、多くのウズベク人訪問者にとって敬意を捧げる場所となっています。
- 入場料:モスクの敷地は無料か少額とされています。カリモフ廟の内部は、外国人で約15,000スムとの情報があります。
- 服装:現役のモスクとして、肩と膝を覆ってください。女性はスカーフをお持ちください。金曜の正午の礼拝時間は避けましょう。
- 所要時間:20〜30分。
ここからシャーヒ・ズィンダへは、北へ徒歩5分です。訪問の詳細はシャーヒ・ズィンダのガイドをご覧ください。
サマルカンドのシルク絨毯工房(フジュム)
ビビ・ハヌムから徒歩数分、フジュム通りにある「サマルカンド・ブハラ・シルク・カーペット」の工房は、通りの名にちなんでフジュム工場と呼ばれています。トルクメン人の織り手で、絨毯の伝統に深いルーツを持つバドギシ家が運営しており、シルク絨毯が作られる全工程を見られる、ウズベキスタンでも屈指の場所です。
見学は無料で、英語またはロシア語を話すスタッフが案内するのが一般的です。ツアーでは通常、次の工程をすべて見て回ります。
- 繭から絹を繰り、糸を紡ぐ工程。
- アカネの根、クルミの殻、玉ねぎの皮、ザクロの皮など、天然の植物染料による染色。
- 機織り:縦型の織機の前で、多くは若い女性たちが、紙の図案を見ながら手で結び目を作っていきます。大型のシルク絨毯は、1年以上かかることもあります。
見学の最後はショールームです。購入の義務はなく、スタッフも見るだけの訪問者に慣れています。購入された場合は、輸出に必要な書類が発行されます。発送についてもご相談ください。ウズベキスタンで絨毯を買う際の注意点は、工芸品とお土産のガイドで解説しています。
- 入場料:無料。
- 営業時間:日中の稼働時間帯。織り手の仕事ぶりを見るなら平日の午前が最適です。
- 所要時間:30〜45分。

コニギル製紙工房(メロス):足を運ぶ価値は?
サマルカンドは、8世紀頃から中国以外で最も早く紙を作った地の一つで、サマルカンド紙はイスラム世界各地で珍重されました。この技術は19世紀に途絶えましたが、1990年代後半、中心部から東へ約10km、シヨブ川沿いの村コニギルにあるメロス工房で、ムフタロフ兄弟によって復興されました。
工房は桑の木が茂る木陰の庭にあり、工程は分かりやすく見学できます。
- 若い桑の枝の皮を剥ぎ、内皮を煮ます。
- 木製の水車が重い杵を動かし、樹皮を叩いてパルプ状にします。
- パルプを枠ですくい上げ、圧搾し、乾燥させ、最後に石で手磨きして艶を出します。
店ではノート、カード、紙人形、紙のシートなどが手頃な価格で並び、軽くて上品な贈り物になります。コニギルには亜麻仁油の搾油所、陶芸工房、ティーハウスもあり、午後をゆっくり過ごせます。夏は街中よりも明らかに涼しいのも魅力です。
- 入場料:2025年後半の訪問者の情報では約20,000〜25,000スム。窓口が見当たらなかったという報告もあります。
- 営業時間:通常18:00頃まで。
- アクセス:タクシーで片道20〜25分。運転手に待ってもらうか、アプリで帰りの車を予約してください。
- 所要時間:工房で1時間、小旅行全体で2〜3時間。
訪れる価値はあるでしょうか。工芸がお好きな方、3日目の時間がある方、お子様連れの方(水車は子どもに人気です)には、おすすめです。サマルカンドから最も気軽に行ける郊外の小旅行です。
シルクロード・サマルカンドのエターナル・シティ(ボキー・シャハル)
ウズベク語でボキー・シャハル、「エターナル・シティ」は、サマルカンド東端に広がる新しい歴史・民族文化パークで、2022年に開業したシルクロード・サマルカンド観光複合施設の一部です。約11ヘクタールの敷地に、ウズベキスタン各地の様式で通りや広場が築かれています。凱旋門を備えたサマルカンド通り、フェルガナ地区、ドームやミナレット、彫刻を施した木の扉が並ぶブハラとヒヴァのエリアなどです。
ここがどんな場所かは、はっきりお伝えしておきます。古いものは何もなく、現代に造られた精巧な再現です。真価は、40を超える建物で働く職人たちと、夕刻の雰囲気にあります。リシタンやギジュドゥヴァンの陶工、刺繍職人、鍛冶師、書家、ミニアチュール画家、シルクペーパー職人の仕事を見学でき、短いワークショップにも参加できます。各地方の料理を出すティーハウスやレストラン、野外パフォーマンス、円形劇場、小さなコーラン博物館もあります。
- 営業時間:複合施設のウェブサイトによると、月〜木は10:00〜22:00、金〜日は10:00〜23:00。
- 入場料:複合施設は入場料を公表していません。訪問前にシルクロード・サマルカンドのウェブサイトでご確認ください。ワークショップやショーは別料金の場合があります。
- アクセス:レギスタンから約9km、タクシーで20分。
- 所要時間:1時間半〜2時間。夕方に訪れ、夕食と夜の灯りまで楽しむのがおすすめです。
タシケントからアフロシヤブ号で到着した日の夜や、家族での夜の外出にも向いています。同じ複合施設内には、湖畔の遊歩道とホテルもあります。

2026年サマルカンドの入場料と一日モデルルート
2026年11月時点の、外国人成人の一般的な料金です。各所でスム現金で支払います。
- ウルグ・ベク天文台:約40,000スム
- アフロシヤブ博物館:約25,000〜40,000スム
- ダニエル廟(ホジャ・ドニヨル):約30,000スム
- ハズラト・ヒズル・モスク:無料または少額。カリモフ廟内部は約15,000スム
- シヨブ・バザールとシルク絨毯工房:無料
- コニギル製紙工房:約20,000〜25,000スム
- エターナル・シティ:料金は公表されていません
一日分の入場料は一人あたり200,000スム未満で、これにタクシー代がかかります。旅行全体の費用の中でのこれらの金額は旅行費用ガイドで、現金とカードについてはお金に関するガイドで解説しています。
レギスタンの先を巡る一日ルート:
- 8:30 シヨブ・バザールでパンとドライフルーツを購入し、続いてハズラト・ヒズル・モスクのテラスへ。
- 10:00 徒歩数分のシルク絨毯工房。
- 11:00 タクシーでアフロシヤブ博物館へ。その後、徒歩または車でダニエル廟へ。
- 13:00 昼食の後、ウルグ・ベク天文台。
- 15:30 タクシーでコニギル製紙工房へ。
- 18:00 タクシーでエターナル・シティへ。夕日、夕食、夜の雰囲気を楽しみます。
午後の気温が35°Cを超える夏は、順序を入れ替えてください。天文台と博物館を朝のうちに、昼食後はコニギルの木陰の庭へ。季節選びには、月別の気候ガイドが役立ちます。
TourEastで巡るサマルカンド
TourEastのサマルカンド担当ガイドは、アフロシヤブの壁に描かれた物語から、織り手たちが織機に向かう様子を見られる最適な時間帯まで、これらの場所を熟知しています。少人数グループツアーにレギスタン以外を巡る一日を加えることも、車と運転手付きで、ご興味に合わせたプライベート旅程をお作りすることも可能です。






